〈ペット終活アドバイザー〉ターミナル期のグリーフケア 〜環境を整える〜

ペット終活


こんにちは。
ねこイラストレーターのわかおちこです。

ちこ
ちこ

キャリカレのペット終活アドバイザー動物介護士の資格を取得しました。


今回は「ターミナル期のグリーフケア」として、愛猫のターミナル期にやったこと・やらなかったことを書いていきます。


安全基地を守る


キャリカレのペット終活アドバイザー講座では、ペットが心も身体も投げ出して安心して過ごせる居場所を「安全基地=home」と表現しています。


ターミナル期のペットにとって安全基地の存在は、幸せな最期を迎えるためにとても重要です。

病気や老化で出来ないことが増えても、なるべく今まで通りその子らしい生活を送れるようにサポートをすることが、ペットにとっても家族にとってもグリーフケアになります。


ちこ
ちこ

私にとっても、ノマがいる我が家は安全基地でした。


やってみた工夫

音楽を流す


猫用のヒーリング音楽を流すことにしました。

ちこ
ちこ

キッカケは、ノマが体調を崩したときだったね。

過去ちこ
過去ちこ

何かできることはないかと思って…YouTubeで見つけたヒーリング音楽を聴かせてみたんだよね。


そのとき体調が回復したので、それから時々部屋で流すようになりました。

猫も音楽で癒されるという研究結果もあります。
猫の反応や血液検査の結果でストレスの軽減になったということが判明しました。

実際ノマに音楽を聴かせてみたところ、猫は聴覚が優れているからか音量や曲で様子が変わると感じました。
好みもやそのときの気分でも変わるので、数曲試して様子をよく見ましょう。
静かに過ごすことが癒しになることもあります。


お気に入りの場所を作る


寝ている時間が増えたので寝床を増やしました。

ちこ
ちこ

シニアになり病気になり、高い場所とか行けなくなったものね。

過去ちこ
過去ちこ

行ける場所でお気に入りが増えるといいなって思ったんだ。


高齢猫の行動範囲や身体の状態、その子の好みを考えて寝床を準備します。

・出入りしやすい高さ
・洗濯しやすい素材
・掃除しやすい素材
・普段のお気に入りの場所

猫が寝たきりになるケースは少ないと聞きますが、寝る時間は長くなります。
床ずれを防ぐベッドとしても有効なのは、

・夏は通気性がよくて涼しい素材
・冬は保温性があって体温を逃さない素材
・家族が寝返りケアをしやすい場所や形


ノマの好みもありますので、我が家ではいくつか試してみることに。

3種類ほど試してみて、1つはお気に入りの寝床になりました。

ちこ
ちこ

1つは1度だけ入っているところを見かけたのみです…



室内は一定に保つことが大切ですが、日向ぼっこする場所や身体を冷やす場所も必要です。

猫は必要なときに自分で場所を移動していると思いますので、そういう場所に寝床を置くのもよさそうですね。

お手入れ


お手入れ方法を見直しました。

ちこ
ちこ

シニア期の身体の変化や病気に合わせて、ね。

過去ちこ
過去ちこ

爪切りには苦戦したな…

シニア期になると、爪が分厚く巻き爪になったり長毛種だと毛玉ができやすくなります。

・爪研ぎや毛繕いがおっくう
・運動量が減る
・病気や関節痛のため

などが理由です。

ケアを怠ると、肉球を傷つけたり皮膚炎になったりと、新たな苦痛が増えてしまいます。


ノマは長毛なのでブラッシングをマメにし、マッサージを取り入れました。
この時間はノマにとって心地良い時間だったようで、ゴロゴロと喉を鳴らしていました。

ちこ
ちこ

猫に触れるのは人間にとっても癒しの時間。幸せホルモンがドバ〜と出ますね…



心臓病だったノマは、苦手な爪切りで興奮し呼吸を荒くすることがありました。
1日1本ずつ切る・寝ている間にこっそり切るなど、負担にならないようにしました。

過去ちこ
過去ちこ

苦戦したけど、切れたとき達成感ありました。


飲食の環境


水飲み場を増やしたり、ご飯皿を食べやすい高さに調整しました。

ちこ
ちこ

ご飯をしっかり食べられることは元気のバロメーター!

過去ちこ
過去ちこ

ご飯をもりもり食べる姿を見るとホッとするね。


高齢の猫のご飯皿の高さを見直す理由

・関節の負担を減らす
・首を曲げすぎることでの誤嚥を防ぐ
・楽に食事をとれるようにすることで食事量を増やす

水飲み場を増やす理由

もともと猫はあまり水を飲まない上に、行動範囲が狭くなった高齢猫になるべく水を飲んでもらうため。


シニア期や病気である以前に、ご飯皿の高さに気を使っていらっしゃる方は多いとは思いますが、我が家では病気を機にご飯皿の位置を高くしました。

ちこ
ちこ

食欲がなくなったときに、食事の負担を減らしてなるべく食べてもらうためです。



我が家ではリビングにご飯と水を置いていましたが、ノマが洗面所の洗面器に残った水を飲んでいるところをよく見かけたので、洗面所に水飲み皿を追加してみました。

過去ちこ
過去ちこ

リビングよりも洗面所の水飲み皿の方を飲んでいましたね。


しなかったこと

家具の配置を変える

猫は年齢関わらず環境が変わるのが苦手です。

ストレスを感じることで体調を崩すこともあるので、むやみに環境を変えることは避けましょう。


視力が弱くなったシニア猫にとっては、家具を動かした方がいい場合もあります。

ノマは軽度の白内障だったので、床に物を散らかさないように気を付けました。(何かと散らかしやすい家族でして…)

ですが、家具の配置変えはしていません。
慣れた感覚で移動をした方がいいのではないかと考えたからです。


床に敷くマットは、掃除しやすい・滑らないなど選び方はありますが、柔らかすぎないものがいいと思います。

シニア猫は筋力不足や関節痛のため、足元が柔らかすぎると歩きづらく、ふらつき・転倒の原因になります。

トイレの置き場所を変える

老猫になると粗相が増えることもあります。

行動範囲も狭くなるため、いつも過ごす部屋や寝床の近くにトイレを置くと猫の負担も減り、粗相の心配も減ります。


少し距離があったため、トイレの置き場所を変えようかと考えたこともありましたが、ノマは粗相をしたことがなく最後まで決まった場所でトイレをしていたので、変えることはありませんでした。

さいごに


以上が、私が行った「ターミナル期のグリーフケア」です。

当時はグリーフケアという言葉を知らなかったので、振り返ると『グリーフケアだったな』と思ったことをまとめました。


今回はおもに環境を整える内容でしたが、ペットにとっては家族との関係もグリーフケアになります。


「家族の笑顔」
「名前を呼ぶ優しい声」
「あたたかいふれあい」

そんな変わらない日常が幸せのひとつなのです。

ちこ
ちこ

愛にあふれた安全基地で最期の時間を過ごしてほしいですね。


ですが、ペットのターミナル期は家族にとって辛いものです。
いつも笑顔でいるなんてできることではありません。


ご家族が少しでも前を向けるように、後悔せずペットを見送れるように、自身の経験もふまえて心に注目した記事も書きたいと思っています。



参考になりましたら幸いです。

わかおちこ