猫が薬を飲むようになったおやつ〜我が家の決定版〜

うちのねこのはなし


こんにちは。
ねこイラストレーターのわかおちこです。


猫に薬を飲んでもらうことに苦戦している方へ。

我が家の猫も肥大型心筋症の診断を受けてから薬を飲むようになり、私も苦戦しました。
猫も家族も大変ですよね…


ですが、私の場合は大変だったのは最初の頃だけ。

その後は1日2回の薬の時間をケージの中で待つようにもなりました。

うちの猫が薬の時間を楽しみにするようになった経緯をお話します。

ノマくん15歳頃のことです。


猫は薬を飲みたくない

愛猫の病気と飲んでいた薬


まず、肥大型心筋症とは…

肥大型心筋症は心臓の筋肉(心筋)が分厚く肥大する病気です。

心筋の肥大が進行すると心室の中が狭くなってしまい、心臓が血液を受け取る働き(拡張機能)に影響が及びます。

その結果、心臓の血液を循環させる機能が低下し、心不全を発症します。


猫の心筋症の中でも最も多いタイプの心筋症です。

こちらの説明は獣医もりぞー先生のわんにゃんアカデミーから引用させていただきました。

【獣医師解説】肥大型心筋症について解説【遺伝性疾患】
猫の肥大型心筋症は猫で最も一般的な心臓病で、心臓の筋肉が異常に分厚く肥大することで心臓の働きが低下します。この記事では、獣医師が猫の肥大型心筋症について分かりやすくイラスト付きで解説しています。肥大型心筋症の病気の解説から診断するための検査や治療法までを広く解説しますので最後までご覧ください。

イラスト付きで読みやすいです。


ノマが飲んでいたのは、ベトメディンアドナというお薬でした。

ベトメディン…心臓のポンプ能力を高める薬

アドナ…止血剤

この2種類を1日2回。半錠ずつ飲んでいました。



肥大型心筋症でアドナを飲むことはないかもしれませんが、ある事情があったのです。

薬を飲ませることに苦戦する日々


肥大型心筋症の診断を受けてまず処方されたお薬は、ベトメディンと名前は忘れましたが血栓予防薬でした。


ドライフードに混ぜたり投薬用ちゅーると混ぜても薬だけ残す。
ロイヤルカナンのピルアシストもだめ。

やはり、すんなりはいきません。


薬をすりつぶしてちゅーるに混ぜたところ、完食してくれる時もありました。

しぶしぶ…という雰囲気もありましたが。



薬を飲んでくれたりくれなかったりで一喜一憂する日々。

それでも、調子が良さそうなノマの様子を見ると心からホッとしていました。

予想外のトラブル


ノマと家でのんびり過ごしていた、ある休日の夜のことです。

ノマのお気に入りの寝床に血のあとを見つけた私は一瞬固まりました。


慌ててノマを探して見ると、口の左側から血を流しているではありませんか。

ぽとぽとと血を流しながら落ち着かない様子です。
部屋の中をキョロキョロ見回したり、ウロウロと歩き回っていました。



ノマを病院に連れて行ったところ…

出血の原因も出血箇所もはっきり分かりませんでした。



内臓からではなく口腔内からの出血らしく、歯周病で歯が抜けかけているのではと歯を動かしましたがビクともせず。

たしか、止血剤や抗生物質を注射してもらったように記憶しています。
すごくパニクっていて記憶が曖昧ですみません。

血栓予防薬のせいで血が止まらないのかもしれないからと、その薬を一旦やめることになりました。

この時のことを記録していたつもりですが書いていないこともありました。
何かの役に立つかもしれませんので、記録はしっかりしておくことをおすすめします。



「血を飲んでいるので後で吐くと思います」そう獣医師に言われた通り、ノマは血の塊を吐いたあと静かな場所でじっと座って夜を過ごしました。

薬どころかご飯も食べない


トラブルの翌日。

水を少し飲みご飯をほんの少しだけ口にしました。
出血は止まりましたが元気はなく、静かな場所にいたがるのでそっと様子を見守ります。


トラブルの翌々日。

元気もなく食欲もないノマを連れて再度病院へ。
止血剤、強心剤、食欲を増すための胃腸薬の注射を打ってもらいました。

ムースタイプのカロリーエースを出してみましたが…食べず。



トラブルから3日目。

水は飲むもののご飯は食べず、薬も飲めていません。
ご飯を食べないのはとても心配です。

今回は、好きなものを選べるように4種類のおやつやご飯を小皿に入れて出してみました。




どれか食べれくれるかな…?

そしらぬ顔をしつつ…



見守っていると…




食べてくれた〜!


クンクンと鼻を動かしながら近づいてきて、高齢猫用焼かつおをたいらげました。

それから、ノマの食欲は少しずつ戻りました。


薬を飲んでもらう時のおやつ。我が家の決定版


薬を飲むことになるまで、ノマにおやつをあげたことはありませんでした。

いつも食べていたドライフードだけでとくに問題はなかったからです。



焼かつおという食べ物が新鮮だったのか?

食欲がない数日を過ごしたのち食べた焼かつおがよほど美味しかったのか?

薬の時間は、ほぐした焼きかつおと粉状にした薬を混ぜて出すとモリモリ食べてくれるようにました。


時間になるとゲージの中で待つようになり、1時間も早く待ち始めてうとうとしていることも。
薬を飲む時間というより、楽しみなおやつを食べる時間になったようです。



薬を混ぜるおやつは他に、トロリッチやかつお節も使いました。



ノマはちゅーるよりとろリッチがお好みのようで、とろリッチと焼カツオを混ぜたり、かつお節を混ぜたこともありました。


ですが、かつお節は注意が必要です。
もちろん猫用・無添加・減塩のものを選んでいましたが、それでも腎臓や心臓を患っている猫には与えない方がいいと後で知りました。

ひとつまみの量でしたが、それを知ったら与えられません。



あらためて調べてみたところ、塩分と猫の関係はハッキリしていないという獣医師もいらっしゃいます。

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猫も薬は飲む。けど飲ませるべきか?

猫も調子よく日々を過ごしたい。


止血剤を飲んでいてもときどき歯茎から血が滲むことがあり、止血剤をやめることができませんでした。

病院で詳しく原因を究明したいところではありますが、家族と獣医師ともども心臓の負担になることは避けようという考えに至りました。

嫌いな爪切りやトイレハイで、興奮したのち脱力症状や呼吸を乱すこともありましたので…。
もちろん病院も苦手です。



“穏やかに健やかに過ごしてほしい”
毎日そう願っていました。


ノマは診断から2年の闘病生活を送りました。

闘病生活の間だけではなく、ノマがうちに来てからたくさんの選択がありましたが、全ての選択が正しかったとは思いません。

知識がなかったために、間違った選択をしたこともありました。



薬を飲ませることがいいことか悩みましたが、薬を毎日飲む(食べる)ようになってから苦しむことがなくなり、体調が安定した日々が続いたのでよかったと考えるようにしています。

猫には病気の概念はありませんが、病気の苦しさや体調の悪さからの不安や恐れは感じているからです。



ノマの場合、薬を飲むのが負担になってなかったこと、病院もですが家の外に出ることが苦手だったことなど、ノマの性格やノマとの生活の中で感じてきたことをひっくるめた上で、治療方針を決めました。

参考になったり、反面教師にでもなれば幸いです。


クオリティ・オブ・ライフ


私は9年ほど、介護施設で勤務していました。

QOL(Quality of life)は、利用者さん自身やとりまく環境・人間関係などいろんなバランスを取ることで成り立つものだと考えています。

QOL(Quality of life)=クオリティ・オブライフ
生活の質・生命の質。自分らしく満足した日々を送ること。



悩んだときは、
猫自身・家族・獣医師や知識のバランスをとって、猫にとって幸せな日々が送れるように考えてみるといいかもしれません。



ここまで読んでくださりありがとうございます。

わかおちこ