家出した白猫タマが自分の意思で帰ってきた。

うちのねこのはなし


こんにちは。
ねこイラストレーターのわかおちこです。


猫に言葉は通じないので、自分の意思で家に帰ってきたのか分からない

そう思われるかもしれません。


でも、そうだったと信じられる。

そんな出来事でした。

愛猫が家出して帰ってきた話


愛猫の家出や脱走で心を痛めている方が、少しでも希望を持てたり心が軽くなることを願います。

タマはこんな猫でした。


20年以上前の話になります。

「タマ」という名前のメスの白猫と家族で暮らしていました。



母が知り合いから託された、我が家にとっては初めて迎えた猫。

華奢でキレイな猫でしたが、気が強いのも魅力のひとつでした。

家出して帰ってきた白猫タマ

(写ルンですの時代に撮ったです🐾)



学生カバンで爪を何度も研がれてボロボロにされたことも


なぜか浴槽のフチを歩くのが好きで、ついには落ちてビショビショになった姿でリビングに現れたことも


こたつの主として足を入れる人間に噛みついては、「私の場所に入ってこないでよ」と言わんばかりに睨みをきかせていたことも


思い出すと自然と顔がゆるんでしまいます。



タマは完全室内飼いでした。

外に興味があるのか家族をおちょくっていたのか…

玄関を開けた隙にするりと脱走しては1メートルほどで引き返してすぐ家に戻る、ということが何度かありました。



タマは遊んでいるつもりだろうと、

危機感がない私たち家族と共にタマはのびのびと暮らしていました。

家出の理由


ある日のこと、

外出から帰宅するとタマがいなくなったと聞かされました。


タマと留守番をしていた祖母の話では、いつの間にか姿が見えなくなったというのです。

家族で家の中も外も探し周りましたが、タマは見つかりませんでした。





今振り返ると、


家を引っ越して間もなく

引っ越しを機に祖母との同居も始めた頃。


環境が変わったことは、タマのストレスだったでしょう。

猫の知識が浅かったため、タマを気遣うことができませんでした。




タマがいなくなったことで不安が膨れあがり、ネガティブな感情で家族を傷つけてしまいました。


猫が苦手な祖母がタマを外に出してしまったのではと疑ったりもしました。



自分を責め、人を責め、

タマが帰ってこないかもしれない
もうタマには会えないかもしれない

そんな悲しみや恐怖で心は真っ暗になりました。



ペット探偵(その頃いたかは分かりませんが)の存在やチラシを配るとゆう知識もなく…

沈んだ雰囲気の家でただタマの帰りを待つ日々。



「いい意味のもしかしたら」

「わるい意味のもしかしたら」

ふたつのはざまで心が揺れていました。


日常が戻ってきた日



数日後の朝のことです。

目覚めて階段を降りていくと…



「タマちゃん帰ってきたよ!」

待ち構えていた様子の母の声で迎えられました。





「…え!」


寝起きがわるい私ですが、この吉報で走り出す勢いです。





リビングには、

家出を悪びれる様子も見せず

いつの通り床に寝そべるタマの姿がありました。


少し痩せたけどケガはなくいつも通りの風格を見せてくれました。



こんなに嬉しい朝はありません。


庭から鳴き声が


空が明るくなりはじめた朝5時頃のこと。

1階の母の部屋の窓の外で、猫の鳴き声がしたそうです。



「にゃあにゃあ」



猫がしきりに鳴くので

もしやと思い母が庭に出たところ、

母の部屋の窓の前でタマが座っていました。




タマが逃げないようにと

そっと そっと 近づいた母。



タマは大人しく母に抱かれました。


猫はかすがい


「タマちゃんは頭がいい」

今でも母は嬉しそうに言います。


我が家の1階にはいくつか部屋があるのに

あの時間、母がこの部屋にいるだろうと分かっていたと。


母を呼ぶように鳴いていたんだと。



私もそう思います。



あの朝

「にゃあにゃあ」と鳴いていたタマは

「帰ったわよ。家に入れてちょうだい」
そう言っていたんだろうなぁと。





そんなタマの物語は

今でも私たち家族の話題を盛り上げてくれています。


ここまで読んでくださりありがとうございました。




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さいごに、
白猫と女の子のイラストで締めくらせていただきます。


わかおちこ